2008年5月3日土曜日

靴下の処分時

来週は「母の日」ですね。
この歳になっても、親孝行どころか、助けてもらってばかりで
私の方が年中「娘の日」のような気がします。
そんな私ですが、会う度に足元のチェックをしています。母親の。
というのも、学生の頃、カリキュラムの中に病院実習があって、
実習中に、私は母の「もったいないから捨てられない」と
賞味期限がきている「靴下」について考える機会を得ました。

靴下の捨て時・・・皆さんの基準はどこですか?
私は新しい靴下が好きで、しかも捨て魔な性格ですので
けっこう消費量が多いハズです。
なので、自分や知人への海外なんかのお土産は「靴下」と決めています。
かさばらないし、軽いし、そんなに好みも反映されませんから、
いただいても困らない・・・それが靴下だと受け止めています。
自分の趣味にあわなかったら、夜眠る時や、
クルマや飛行機の中などの移動専用にしてしまうとか
何かと使い道がありますでしょう?

(一度に50人分くらい、まとめて どかっ! と買うので
店員さんにも「お店でも始めるの?」と聞かれています。笑)

内科外来の実習日、私は白いストッキングにナースシューズを履いて
診察室で、患者さんが先生に呼ばれるのを待っていました。
ひとりのおばあちゃんの診察の番になり、
触診のためにベットに横になってもらった時・・・

そのおばあちゃんは、穴の空いた靴下を自分で縫い繕ったのでしょう
緑色の靴下に白い木綿糸で、穴が繕ってありました。
命あるものはどんなものでも大切にしないといけません。
靴下の穴だって、そこを縫ってしまったらまだまだ履けます。
そんなことは百も承知です。

でも、でも。

捨て時が難しい靴下ゆえ、私は思い切って、潔く処分する気持ちを
もっていたいのです。

私の母も「もったいない」と、どんなものでも
捨てるための勇気を、
奮い起こすことに、
どれだけの時間を使っていることか。

私は母の生き方/物への気持ちを大切にしたいと思っています。
しかし、私は言ったのです。
「私から靴下をプレゼントする楽しみを奪わないで・・・」と。

私も年をとり、よって親はもっと年をとりました。
だから、これまでの人生を、その体重を支え、時に走り、歩き、
人生の中で幾度も踏ん張ってくれた、
がんばってくれた足へのご褒美として
いつも新しくてさっぱりた靴下を履いていてほしいのです。

あの実習日のおばあちゃんに、私が思ったのは
あ〜あ、捨て時がまた延びちゃったね・・・
でした。

エラそうに書いているこの私も、捨て魔のこのワタクシも
処分にかなりの勇気と時間がいるものがあります。
バスタオル。
役目を終えた後は、バスマットに縫い、その後は山口選手の
自転車整備用に小さくカットされ、真っ黒になり、ゴミになります。
捨て時・・・その決定は・・・むずかしい。

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